[コメント] スターレット(2012/米)
ドライなAV女優(ドリー・ヘミングウェイ)が頑な独居老女(ベセドカ・ジョンソン)へ向ける“お節介”の顛末に見え隠れする縮まりそうで縮まらない距離のもどかしさ。心中に巣くう思慕と無念の共鳴の先に疑似ではあれ“母と娘”の予感が一気に立ち上がるさまが見事。
この「強く生きようとする弱き者」へ向けられるの祈るような視線は、以後の『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』 (2017)から『ANORA アノーラ』 (2024)に通底して描かれる。本作にショーン・ベイカーの優しさの端緒をみた気がする。
今回「ショーン・ベイカー初期傑作選」(2025)という特集上映で長編第一作『フォー・レター・ワーズ』、第二作『テイクアウト』、そして第四作にあたる本作『スターレット』を観ることができました。それで気になったのですが、三作品すべてに“嘔吐シーン”がありました。とても偶然とは思えないのですが、このベイカーのこだわりは何なのでしょうか。気になったので記しておきます。(第三作『プリンス・オブ・ブロードウェイ』は未見です)。
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