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[コメント] スタントマン 武替道(2024/香港)

予想通りの良作なれど、小さくない引っかかりを情緒でブッ飛ばしてくるのは気になる。
ペンクロフ

トン・ワイはかつて『燃えよドラゴン』でブルース・リーに「考えるな、感じるんだ」と説教されていた少年であり、アベニュー・オブ・スターズのブルース・リー像を見上げている姿にはグッとくる。

スタントマンの情熱は美しいが、高確率で本人と周囲のカタギさんを不幸にする。ドキュメンタリーの『カンフースタントマン 龍虎武師』(2021)でも、ジャッキーの『ライド・オン』(2023)でも描かれてきたことだ。

自分の貧弱な経験から言っても、仕事の中で危ない橋を渡らざるを得なかったことは幾度もある。しかしこれ自分が危ないだけで、誰もケツ持ってくれないんだよな。渦中にいると優先順位が狂っちゃって、それが見えなくなる。香港アクション映画は無名の人々の情熱を搾取し、血を吸って咲く花だ。我々はそれを楽しんできた。

トン・ワイ演じるアクション監督サムが強行するゲリラ撮影で一般人に負傷者が出るんだけど、サムがこの大失態にどこまで責任を感じているのかは最後まで判らぬまま。普通ならあの1件で完全アウト、生涯ノーチャンス、旧作のクレジットからも消されるレベルだけどね。

(評価:★3)

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