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[コメント] 鉄拳 TEKKEN(1990/日)

ベタな話しにもかかわらず、あらゆる行為から周到に意味や理由が排除されている。当然、確信的作意だろうが、これまた当然、物語としては意味不明。鉄拳を介した擬似的な父と息子の関係修復劇と見れなくもないが、二時間以上かけてそれだけというのも解せない。
ぽんしゅう

とりあえず男の話しである。製材所の番頭さんたるハナ肇と半端な社長菅原文太。道楽ジムの会長たる文太と粗暴青年大和武士、さらにトレーナー。ブチキレ青年大和と虐待親爺。立ちション文太と和紙職人原田芳雄。原田の親友たるサイボーグ製造獣医藤田敏八。ホモ御一行に見えなくもない、逆乗りボスシーザー武志率いるカンフーもどき軍団(この得体知れずの暴力集団には、阪本順治が助監督を務めていた初期の石井聰亙作品の影響を感じる)。あえて、どこまでも中性的な桐島かれんを起用したかのような唯一のヒロインには、まったくSEXを感じない。文太の女房大楠道代と老母は言わずもがな。

映画としては破綻しているのに、何だか血が騒ぐのは、この徹底した女性性の排除、すなわち物語性の排除に原因があるような気がするのだが、本当のところはよく分からない。ただの「トンデモ映画」なだけのような気もする。

(評価:★2)

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