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[コメント] 宝島(2025/日)

コザ暴動をクライマックスに、突然失せてしまった沖縄の誇りと良心(永山瑛太)を、探し続ける者(妻夫木聡)、待ち続ける者(広瀬すず)、迷走する者(窪田正孝)の姿に託し、米国支配の理不尽(=日本政府の無責任と国民の無関心)に異議申す骨太の娯楽作。
ぽんしゅう

・・・かと思っていたら。物語はどにも収斂せず“今の沖縄が置かれた現実”と同様に、収拾つかず情緒的に拡散し続ける。まあ、確かにそれもひとつの結論かもしれないが、3時間以上かけて何も語っていない、ということでもある。

本作は、日本が独立を回復してもなを沖縄が米国支配下に置か続けた期間(1952年から1972年)に流れた時間の物語であり、その意味で“時間”が物語の主役でもあるはずなのだが、その時間の“重さ”の欠落が物語の説得力のなさの原因のように思う。

物語が、失われた先導者であるオン(永山瑛太)を“探し求める”というサスペンスに向かわないので映画の軸が定まらないのがもどかしかった。映画的に工夫のない作劇や演出もさることながら、問題は原作(未読です)を刈り込めなかった脚本の段階にあったのでは。3時間10分間かけて何も消化されないフラストレーションが残った。

蛇足ですが、同時期に公開され同じく1952年を起点に30年に渡る“戦後の心の混沌”を描いた『遠い山なみの光』のシャープさと比べて、あまりにも鈍重な仕上がりでした。

(評価:★3)

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