[コメント] のんき大将・脱線の巻(1949/仏)
タチの作品はすべて「音」の映画でもあって、『ぼくの伯父さんの休暇』以降の作品ほどではないにしろ、本作でも卓越した音の演出が行われている。
私が最も驚いたのは、柱を立てるためにロープを引っ張る男が後ろにのけぞって塀から落下してしまうところ。なんと、ここには体が地面に激突する音がない。無音なのだ。それ以外の場面ではひとつひとつ見事な音をつけているにもかかわらず、ここだけ無音。誰よりも音に敏感だったタチは、やはり無音の効果にも敏感であったのだ。また、劇中で上映される西部劇の会話の音声が、旅役者ロジェと女のツーショットに同期するかのように重ね合わせられるのにも驚いた。
後半の自転車ギャグは『郵便配達の学校』のものとほとんど同じなのだが、配達を急ぐ理由がアメリカ式の郵便配達に対抗するためとなっている。
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