[コメント] 女優須磨子の恋(1947/日)
田中絹代の熱演と、舞台内容の質の高さ、それを切り取る溝口のカメラ、これらからなる映画内の舞台その物の表現力の高さは特筆に値するが…
ただ映画内においてこの舞台演劇が、須磨子という人物の人生の描く為のコンテキストとしてしか機能していないため(舞台を活写する特異な撮影も全て、須磨子の人生ドラマの下にある)この手のジャンル(つまり半生記として)の凡庸さに終始している感がある。まあ、その範囲ではよく出来た映画なのだが、この辺りの通俗性が俺が溝口をあまり好きになれない理由なんだろうな…。
まあ、重ねて書くことになるが、舞台を描く為のあの手この手の撮影は本当に素晴らしい。
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