[コメント] 雪国(1957/日)
暖房の効いた映画館で眺める雪国は美しいばかりで、岸恵子のよろめきは不憫で、同じようにおきゃんな市原悦子との差異は生々しく、祭りにおける子供の唄のポリフォニーは美しい。しかし数々の美点を差し引いても、この収束は酷すぎる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まるで葉子が醜くなったから島村は雪国を捨てたような具合ではないか。「実行力のない責任は無責任」などという訳の判らない三下り半は、二時間にわたり善意をちらつかせていた池部良につき合わされていた観客をないがしろにするものだ。小説もまあこんなもので、なぜあれがノーベル賞なのかいまだに判らないのだが、ここまで露骨ではない(大庭作品も同様)。芸者遊びする男なんて所詮そんなもの、という八住のイロニーなのか。しかしそれでは、池部の立つ瀬がなかろうと思うのだが。
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