[コメント] 夜の鼓(1958/日)
二転三転の推理劇を観慣れた我々にこの作劇は無骨に過ぎるのだが、事件とは本来こういう無骨なものかも知れないとも思わされる近松物
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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俳優ではもう金子信雄。他の面々が古典調な造形のなか、彼の磯部の憎たらしさが活き活きとしている。本当に腹立つ。
森雅之が仇討ちされ、金子は何も問われない。この収束にはカタルシスというものがない訳で、観客の憤懣は金子が担う制度の抜け穴に向かうだろう。
しかし、それを十全に描くにはには、金子のその後を含めて、収束前後をもっとみっちり描くべきではなかったのだろうか。中盤の推理劇に時間を割くのはどうでもよいことに思われる。即物的なあっけなさで余韻を狙う今井の手法が判りやすく出ているのが興味深いのではあるが。
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