[コメント] 「エロ事師たち」より 人類学入門(1966/日)
クライマックスと云ってもいいのだろう、坂本スミ子が、病院の窓の鉄柵のところで身を乗り出して、わめき叫ぶ場面がある。こゝで寝間着(患者衣)の前がはだけるのだが、胸元を押さえるのはどうか。これでOKを出すというディシジョンが理解できない。
続く、野原の鉄柵から、スピーディに後退移動するイメージカットは見事だ。エレキギターのBGMも画面を盛り上げる。当時の観客は、こういうのにやられた(カッコいいと思った)のだろうことが想像できる。
坂本の理髪店兼住居の立地はいい。表の近くに墓地。裏に川。小沢昭一が、娘ケイコ(坂本の連れ子)を連れて、心斎橋筋商店街あたりで、戦友達との同窓会に参加する場面があるが、その帰路、家の裏の川側の通路でケイコにキスをする。このカットなんかは絶品だ。
度々挿入される鮒(フナ)のカットは醜悪。全体に俳優陣のファイトはよく分かるし、今村昌平の剛腕も感得できるが、鮒のカットが象徴するように、奇矯な画面造型が嫌らしい。
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