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[コメント] 血槍富士(1955/日)

後にアクション一辺倒になっていく東映の少し前の時代の時代劇として面白く観られる。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 アクション監督として将来を嘱望された内田吐夢は、一兵士として太平洋戦争にかり出されてしまった。敗戦を経ての中国抑留の期間を経て、ようやく日本に帰還してからの第一作となる。実に13年ぶりの復帰作となり、東映の全面協力のみならず、伊藤大輔、小津安二郎、清水宏といった蒼々たる監督達が企画協力し、カムバックを応援したという。

 本作のジャンルを言えば股旅物と言うべきだが、主人公が旅の間にばったばったと人を斬るようなものではなく、わがままな主人に従って苦労するだけのものになってるのが特徴で、痛快さはないが、その分しんみり見せるものになってるのが特徴。

 主人公の権八も強くはあるが冴えないキャラだが、なんかいろんな人に好かれるタイプで、任務と人情の板挟みにあってもやもやするのもそうだし、虐げられた貧乏人のやるせなさなんかもしっかり描いていてバランスの良さもあり。

 終わり方がなんかすっきりしない気がするが、それも味かな?

(評価:★3)

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