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[コメント] 人間の條件 第3部望郷篇・第4部戦雲篇(1959/日)

原作既読。BSシネマの『山田洋次監督が選んだ日本の名画百選(家族編)』にて鑑賞。原作に忠実なストーリー運び。一切の無駄がない。仲代達矢の眼光が鋭く光るが、その眼力がさらに圧倒的になるのは第4部以降。レヴューは3部と4部に分けて記述。
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







第3部・・・田中邦衛が馬鹿過ぎる。眼鏡を踏み潰された時の動きだけが異常に俊敏w 自殺した最大の原因は眼鏡が無くなったからかw

他方、梶は仲間を自殺に追いやったと古参兵との死闘を宣言したり、その古参兵を泥水に放置したりとことごとく私人間臭い。『人間の條件』の中で唯一梶がそのヒューマニズムをはき違えたのがこの第3部。

第4部・・・ここに来て、仲代達矢の眼光の鋭さが一層増した。特に古参兵らにリンチされているさなか、ナイフを握り締めて「来るなら来い。ぶっ殺す!」とキレた梶の人間臭さにスッキりした。

戦車戦線との攻防戦は自衛隊の協力もあってとてもリアリティーがあった。全編通してこの戦雲編が最も面白いと感じた。

総括・・・民間社員から弾き出されて軍隊にやってきた梶。持ち前のヒューマニズムを貫こうとするもここでも組織・古参兵らとの軋轢に悩む。時は既に沖縄陥落間近。大陸に取り残された兵士らの「生き残りたい」と願う気持ちも充分に理解できる秀作。

(評価:★5)

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