[コメント] アジアの嵐(1929/露)
ワールドミュージックと寺山好みのお面のダンスによる仏教描写は腰を据えたドキュメントになっており貴重だろう。ここが最大の見処と思われる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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遊牧民は好ましく、マニ教徒は厭らしく描き分けられており、宗教嫌いな社会主義の見地からすればこうなるだろう、成程なあと思う。金ぴかの勲章で騙す悪魔のような仏教、とは本邦でも神道の本によく出てくる解説である。
玉座に座った赤ん坊にすり寄る外国人の件は、チベット傀儡と中国の関係をそのまま想起させられるし、ワレリ・インキジノフのジンギスカン2世襲名は大日本帝国と溥儀の数年後の関係を見事に予見している。歴史への的確な視点があったからこその予見力と云うべきなのだろう。
しかし、何でイギリスやアメリカが大挙して登場するのかは勉強不足でよく判らない。モンゴル近代史は中国との関係のほうが重要なのではないのだろうか。ラストの畳みかけは傑作『母』の自己模倣で劣る。
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