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[コメント] 恋の掟(1989/英=仏)

どこかで聞いたことのある話だなと思っていたが、この映画の原作は何度もリメイクされていることを知った。
kazby

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







メルティユ役のアネット・ベニングは、徹底的に知的な悪女になりきっていて、すごみがある。セシルの処女をヴァルモンが奪ったことで、彼女の目的は果たされたのだが、ヴァルモンが本気で愛し始めた人妻との恋を邪魔しようとしたり、セシルと音楽教師との仲にまで、あれこれちょっかいを出すので、周りの人がどたばたしている様子がなかなかおかしい。

それだから、プレイボーイながら、細かい計算などしないで、生身(というか性器の命ずるまま)のまま行動するヴァルモンに、なんだか好感をもってしまった。悪女が勝利して、ヴァルモンには、気の毒だったが、一言の弁解もせず逝った彼を、ほめてやりたい気持ちになった。劇の中のヴァルモンに味方したのか、コリン・ファースのキャラクタにひかれているのか、よくわからなくなり、そのもやもやがまた心地よい。

途中、年老いたおば様のマダム・ローズモンドが、「ヴァルモンに子供がいないのが残念だわ」なんてつぶやくシーンがあったのだが、とても気の利いた結末が用意されている。誰もが、にやっと微笑むにちがいない。

(評価:★5)

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