[コメント] ひきしお(1971/仏)
文字通り「犬」になることで男の歓心を買おうとする超ドMの女(カトリーヌ・ドヌーヴ)を描きながらも何か足りない。
それはやっぱり女がサディスティックな調教に耐えた末に得るモノは何なのかが今ひとつ描けていないのだ。男の歓心と言ってしまえばそれに尽きるのだけれど、犬を殺してまで得た地位「犬」になってからの描写が不充分ではないか?
単なる話し相手なのか、男の愛情を一身に受けたのか、とてつもない快感のSEX漬けの日々を送れたのか?
映像で見る限りでは、女は精神に異常をきたしたかのような様子の演技だった。犬の霊が女に乗り移ったかのような。
もしくは、犬に成り代わって得た地位、この「犬」という地位に単純にマゾヒスティックな快感を得ているのではないのかとも思えた。
どちらかと言うと、後者の方が強い。そう感じた。もしそうならば、本作の読み説き方が随分変わってくるんでしょうね。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。