コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 白い巨塔(1966/日)

グイグイ押してくる迫力はさすがだが、ダイジェスト版を見ているようで物足りなかった。
ざいあす

昔のテレビ版はおぼろげな記憶しかなく、2003年のテレビ版の腹芸合戦が面白かったのでビデオ探しました。

2時間越える長丁場でも、テレビに比べれば大勢のキャラをさばくのは至難の業で、里見助教授の心境や家庭での暮らしぶり、東教授の娘の絡みなど、かなり省かれているので流れが随分唐突に感じる。

何より主役である財前に後半の見せ場がなく、ただの「悪い阿部寛」で終わっている。母親とのエピソードや、妻、里見との絡みもなく、彼のハングリーな上昇志向を支えるものが何なのかがわからない。

これだけの権謀術大会の渦中で、大河内や里見のピュアさかげんは宇宙人的。 あまりの価値観のギャップに、見ている方は「何を眠たいことゆうてんねん!」とイライラし、裁判での加藤嘉の裏返りそうなハイトーンボイスに爆笑する始末。

こんな不遜な見方しかできないのは、腐敗が当たり前の現代に見たからでしょうか、それとも、映画より先に次の手がいくつも浮かぶくせに、会社ではひたすら窓際コースを突き進んでる私自身の資質によるものでしょうか。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。