[コメント] 四十八歳の抵抗(1956/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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家では封建的家長、外では羽目外した放埓という、戦前的な男子本懐を山村聰はふたつながら断念させられる。その断念は雪村いづみの涙で通底している、というのがミソなのだろう。若尾文子は元性典女優の本領発揮。このように、自分の娘と街の女とを同じ人間として考えるというのは、封建制下の親父には思いもつかないことだったのだろう。封建制はこのように段階を踏んで徐々に終わっていったのだなあという感想を持った。
映画は人物の不感症ぎみの扱いに独特のものがある(『8 1/2』(63)を想起させる)。不思議な雪村がそうだし(彼女が歌うときのバックのギター演奏が無茶上手い。流しにこんなギターはいないよ)、船越や川口浩もそうだ。しかし間延びした編集のリズムは、間合いの可笑しみを狙ったのだろうが、ここではどうも巧くいっておらず退屈だ。新藤は『絞殺』などでこの手法を用いて成果を上げているけど、ここではまだこなれていない。話のアラも多少目立つ。雪村はお祖母さんを温泉に連れて行かなくて良かったのだろうか、とか。
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