[コメント] 赤い手のグッピー(1942/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
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変なタイトルの映画、出だしがとっても変で、取っつきにくいけれど、DVDで出ているベッケルの5本の中で、肉体の冠につぐ作品だと思う. サスペンス、そのどんでん返しの部分に大切なものが描かれる、と言うことで、筋が分からないように書くけど、なるべくなら、何も前提にせず観るべき.
悪の世界に善を見出す事は、善の世界に悪を見出す事である.ジャック・ベッケルは全部これで良い.
金、金、金、お金だけで物事を考えると、怠け者は悪者.働き者は善. 赤い手のグッピー、彼の好きだった女性は結婚に反対され、井戸に身を投げて死んでしまった.好き合った者同士が一緒になり、幸せに暮らすことが一番大切.お金ではない. 怠け者(悪)の二人が示したことは、助け合うことの大切さ.お金ではない. 家族とは、好き合った者同士が、助け合って生きて行くこと.確かに幸せに暮らすにはお金が必要.でも、お金のために助け合って行くわけではない.
付け加えれば、恋愛とは、誰かを好きになったとき、誰かを嫌いになるものではない.確かに悪いやつは嫌い.でも、家族とは、恋愛とは、人を好きになる心の結びつきである.悪の二人が示した心は、そうした性質を持った心だった.彼らもまた、お金に惑わされた、と、言って良いのでしょうか.けれども、そうした状況に置かれても、助け合ったと言える.だからいつでも人を好きになる心を忘れてはいけない.ミュゲは優しい娘、でも、ちょっとその心を忘れかけた?
どんな家族にも(一緒に暮らしていなくても)、きっと働き者と怠け者がいる.勿論この映画に描かれた程ではないでしょうが、たいていは、働き者達が集まって、怠け者を馬鹿にするのが世間相場、と思うけれど、どうでしょう.ジャック・ベッケルの視線は、情熱的で、かつ誰に対しても優しい.だけどね、怠け者の彼らにも、貴方たちにない良さがあるはず、こんなふうに語りかけているのではないでしょうか.
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