[コメント] 恐るべき子供たち(1949/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
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身の周りのあらゆる物に対してまだ確かな実感の伴なわない子供たちが、引出しの中の(大人から見れば取るに足りない)ガラクタの一つ一つに価値を付けていくように、「恋愛」や「結婚」や「犯罪」、さらには「死」までも自分たちの世界の小道具や舞台装置にしてしまう。そこで展開するのは、おおよそ無様な感情のぶつけ合い。弟を支配できなければ迷わず死を選ぶと宣言する、火か氷にしかなれない姉が自ら舞台(屏風)を倒して芝居も終わり。残るは玩具をひっくり返したように物が散乱する部屋。「子供の時間」はもう終わりなのだ。
確かな実感も伴なわないトコロで、理由なき感情だけが異様なテンションを帯びはじめる。コレは起きながら見る夢なのか。そう、まるで熱に浮かされて時折見る夢のようだ(そういえば子供の平熱って高かったよなぁ、なんてことを考えたり)。「夢みるには年をとり過ぎた」という弟のセリフ。それでも夢の世界へ「行く」ことを試みる姉。「子供の時間」の瀬戸際で、必死にしがみつこうとする姉の姿が何ともイタイ。そんな姉の「念」がひととき奇跡を起こさせたかのように、再び夢遊病にかかる弟。現実にいながらも子供はどこか異質な空間を生きているような、そんな微妙な差異感が良く出ていたと思う。
ただ個人的にちょっと難点だったのは、(特に前半の)所帯じみている上にヒステリックな姉が、時折オバサンに見えてしまったこと。冒頭の既に骨格がオトナの弟の半ズボン姿も、慣れるまでにちょっと時間が・・・。
(2002/10/18)
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