[コメント] バグジー(1991/米)
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実在のギャングで、ラスヴェガスを開発したという伝説の“バグジー(bugsy:害虫)”の愛称で知られるベンジャミン・シーゲルの伝記作品。
西海岸の内陸にあるラスヴェガスは今や世界最大のカジノの街として知られるが、乾燥した気候と熱風により、もともとはほとんど住む人のない土地。現在でも周囲から流入してくる砂を排除することで街として成り立っている、いわば人工の都市と言える場所(もしここに人がいなくなったら?ということは『バイオ・ハザード3』の冒頭で描かれていたが、人がいなくなったらあっという間に砂漠化するのがこの街の特徴)。
こんな苦労する場所になぜ世界最大とも言えるカジノが作られるようになったのかと言うと、いくつかの理由があるが、大きなことは、ネヴァダ州が賭け事を合法的に認おり、税金がとにかく安いからという、法的な問題が理由らしい。そんな場所なため、昔から小規模な賭博場は作られていたが、これを本当のカジノにするために尽力した人物がベンジャミン・シーゲルだったといわれる。
そんな経緯があるため、彼の描き方は明らかに破滅型。栄光に上り詰め、そしてすべてを失うまでを、恋物語を中心に描いている。歳食っても全然枯れて見えないベイティが貫録の演技を見せ、堂々とした悪人ぶりを見せている。
とはいえ、これはレヴィンソン監督の特徴とも言えるが、盛り上がるはずの物語がさほど盛り上がっているわけでなく、物語が淡々と進行するため、かなり退屈。冷酷なのしあがり型のギャングを主人公にするんだったら、描写も派手目にしないとついていけなくなる。その辺を無視して作ってしまった感じ。文芸の香り溢れる、薄味の作品と言ってもいいか?主軸を恋愛に置いたのも、特徴のなさに拍車をかけてる。
ベイティもこういうのに出たかったのかね?ちと勿体ない作品だった。
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