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[コメント] ポネット(1996/仏)

「ポネット」の映画であって、「子供」の映画ではない。
ちゃん

発達心理学の分野では、赤ちゃんの研究というのが最近進んでいるそうです。で、赤ちゃんていうのは、ただ単に、快、不快しかわからないような存在として扱われてきたんだけれども、ここ2、30年になって実際に子供を育てた経験を持つような女性たちの進出もあり、そうではないんじゃないか、赤ちゃんも赤ちゃんなりに考え、計算し、世界を見てるんじゃないか、と考えられるようになったそうです。赤ちゃんは一人では生きられない、ゆえに誰かの助けを必要とします。そしてその誰かとの接点を通じて、赤ちゃんは世界を理解していくようになるのです。 大人になった私たちから見れば、その世界はとっても狭い。そして、その世界で赤ちゃんだとか、ポネットのような子供たちの見ているたものを私たちは忘れてしまっている。その目は私たちがいまこうやって世界を見ている目と何もかわりのないことを。 つまりこの映画は子供の目で見た、世界の映画であって、それは子供が人間である以上、単純なものではありえないんだと思う。私たちだって、複雑なんだもん。 フランスの映画は、子供も大人も、どんな種類の人間も同じように、その内面を描いていておもしろい。それでいて、大人はみんな偉そうで、子供もみんな偉そうな口を聞いてて、おもしろい。

(評価:★4)

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