[コメント] いれずみ突撃隊(1964/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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バナナ売り出身のチンピラな健さんの造形麗しく、北支における安部徹との女の奪い合いは永遠に続く因縁に見える。健さんがアカと云われているのもすごい。一等兵が馬に乗って移動するのはありえないだろうし、中盤はまさに駅馬車風。慰安婦については十五六人もいる人数は多すぎるし、ピー屋の親爺がいないのも外国人がいないのもリアルを欠くだろう。これらは十年後に鷹立作品(石井脚本)で改善されることになるだろう。三原葉子も本作での優しい役どころを十年後に引き継いでいる。死んでゆく朝丘雪路への「靖国神社に行けるさ」は靖国神社への嫌味に外なるまい。だって入れてくれないのだから。
アクションは秀逸で、乱暴にみせる編集がとても繊細。挟まれるズームアウトがシビレるショットだ。序盤の健さんと杉浦直樹の泥濘での格闘は特に手持ちの接写がとてもなまめかしい。ラストの片腕のいれずみ晒したひとり突撃はその後の任侠映画のメタファーを予告するかのように見える。しかし本当は、これはアメリカ相手に撮られるべきだったんだろう。
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