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[コメント] 続・男はつらいよ(1969/日)

ラブホテルにおける下世話と哀切の入り混じった件が本作の白眉。シリーズが巨大になるとこういう艶笑譚は自粛されたのだろう、惜しいことである。「浴槽の中へネオンがつきますさかいどうぞ」
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







東野英治郎の先生が駄目。漢詩の世界と寅を漂白において結びつけるのかと思いきや生業につけと説教を始める分裂ぶりは酷い。こういう細部を盛り上げてこそのドラマではないのか。何の前置きもなしに鰻にこだわり出して何の前置きもなくころりと死ぬ。物語の進行のためのキャラでしかなく、白ける。一方ミヤコ蝶々のベランメエ調は造形云々を超越したリアルさで、収束もよく判らないが強引に納得させられてしまう。登場は確か2作だけか、もっと観たかった。

寅が母と間違える連れ込み宿の中居は風見章子。部屋の仕掛けを彼女が次々と説明する件は爆笑もの、配役の妙である。内田吐夢『』の主演だったのね。「おもちゃ屋ケンちゃん」のおばあさん。懐かしい顔。昨年逝去とも知らなかった(2016年9月)。ご冥福をお祈りします。

(評価:★3)

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