[コメント] 男はつらいよ 寅次郎真実一路(1984/日)
また、大原麗子なら本作よりも『噂の寅次郎』の方が出来は良いと思う。例えば中盤、大原麗子がとらやを訪ねてからのシーンには少々違和感がある。夫が蒸発した妻という題材をどう扱うか山田洋次も困っている様子がうかがえる。
とは云え勿論良いシーンも沢山ある。上野の飲み屋で米倉斉加年と出会った寅が、金が無いと開き直って今夜は留置場へ行くという話をする。結局米倉におごってもらうことになるこの一連のシーンだとか、米倉が失踪する前の少しおかしくなる演出だとか。或いは、鹿児島の旅の場面で津島恵子と辰巳柳太郎が出てくるが、辰巳の暴れっぷりには笑ってしまいます。そして土浦からの夜の電話のシーン。さくらとの電話のシーンはいつだって素晴らしい。
#備忘で配役など
・夢は怪獣映画。怪獣はギララ。タコ社長が総理大臣、源公が官房長官。寅は預言者の博士。妹でさくら、助手で博も登場。久しぶりにヒロインの出ない夢。ナレーションはレオナルド熊か?
・夢明けは子供がゴジラのかぶり物。ぽんしゅう−関敬六も登場。タイトルバックは江戸川べりを行く寅。アパッチけんのヘルメットにいがぐりを入れる寅。
・あけみ−美保純、度々登場。夫婦喧嘩で家を出てきた設定。
・スタンダード証券の受付にマキノ佐代子。今回は工場の事務員じゃない。津嘉山正種が部長。会議シーン、皆でバナナを食べ始めるのがおかしい。
・米倉の家は牛久沼。
・博は酒好きだ。家では角を飲んでいる。
・鹿児島では桜井センリがタクシー運転手。谷よしのが旅館の仲居役。
・「奥さん、俺は汚ったねえ男です。ごめんなすって」押入れの戸を開ける。
・「自分の醜さに苦しむ人間はもう醜くありません」博の科白。これは『男はつらいよ ぼくの伯父さん』(1989)で寅が思い出して云うセリフ。
・ラストはぽんしゅうと二人、線路を行く。鉄橋で進めなくなるぽんしゅう。
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