[コメント] 真剣勝負(1971/日)
ストップ・モーションといいオフのモノローグといい素晴らしい効果を上げているし、また山並み等の風景描写の繊細さも冴えている。傑作とまでは云わないが内田吐夢の遺作として悪くないと私は思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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人を食った映画だ。ラストが尻切れトンボだとか、とってつけたような野火の中の子供の笑顔だとか、これらは本当にポスト・プロダクションの成り行き上の処置なのだろうか。序盤で風車を頭に刺して登場する三國連太郎を見た瞬間からこの映画の一種異様な佇まいを感得するではないか。或いはくさり鎌をぶんぶん振り回しながら独り言にように子供に対して呟いている沖山秀子の奇異さもそうだ。第一、宮本武蔵の物語の中から宍戸梅軒との決闘をこのようなかたちでクローズアップして映画にしようという企画からして普通じゃないだろう。伊藤大輔と内田吐夢は始めからミスマッチを狙っていたのではないか。そうに違いない。 そう思いたい。
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