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[コメント] ゴッドファーザーPARTII(1974/米)

マイケルの陥った暗黒。逆説的にではあるが、赦されたいのなら自らが赦しを与えねばならない、と痛切に感じた。
週一本

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







Part1のラストでNYマフィアのボスを次々と葬ったのとは違い、このPart2ではもはや敵ではなく、社会的、政治的に廃人になってしまった者にもマイケルは制裁を与える。(国際逃亡を続けるロス、国の管理下に置かれたフランク、そして兄のフレド)

マイケルは自己への裏切を絶対に許さない、許すことができない。

が、ゆえにマイケルの陥った孤独と暗黒の深さはなんと絶望的なのだろう。

これをあえて教訓とするなら、他人をどうしても許容できない自分にこそ罪が存在し、その罪に悩まされるのである。

マイケルが母を訪問したシーンでは改めて父(ヴィト)の強さを語り合う。強くあろうとマイケルは冷徹の道を選んだともいえる。

最後に唯一マイケルが赦しを与えた妹のコニー。マイケルへの抵抗で子供を堕胎してしまった妻を拒絶し、母も亡くし、母性を失ったマイケルが唯一、人としての弱さからコニーを赦したのだとすれば、それを描いたコッポラとはなんという仕事をしたのだろう。

(評価:★5)

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