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[コメント] トレインスポッティング(1996/英)

とにかく色々勘違いされやすい作品。自分自身も勘違いしている可能性大ではあるが、私的解釈は「何故平凡に生きなければならないか」を回りくどく説いた映画。絶賛の嵐も怖いが、黙殺されるにはあまりに惜しい、見方次第で玉にも石にも泥にもなる問題作。
HW

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







オープニングに心を掴まれた直後、今度は、全ての意味で軽率で下品な前半に「最悪」と(映像・音楽はともかく)反発した。しかし、この映画はドラッグ賛同(もしくは容認)映画などではないと思うし、総合的には面白かった。確かに禁断症状のシーン(ここの映像は凄い!実際はもっと地獄だろうが)を除けば、否定をほのめかすシーンはないし、実際強い否定の立場でもないだろうが、実を結ばずともドラッグからの脱出を何度も試みる主人公には変化が感じとれる。そして最後の二人との決別(友情はもともとなかったように思えるが)が全てを物語っているだろう。ラストの生き生きとしたユアン・マクレガーの表情と語りは明らかに違う方向に向いている。それまでの生活からの脱出と「平凡」「平穏」への憧れだ。ラストの疾走感は最高。

ただ、気になったのが、映画を語るシーンの大半が悪口的であるのは気に入らなかった。タランティーノ作品などは様々な映画・俳優への賛美の心があったから興味深かったのに・・・。

 ―追記「これはドラッグ賛同映画ではない」―

前回分の補足となりますが、より明確な根拠としてオープニングとラストの対比を行います。

この前まで全く気付かなかった事が情けないのだが、レントンはオープニングでは「豊かな人生など望まない。理由?理由はないヘロインだけがある。」としている。それに対し、ラストでは「あんたと同じ人生だ。」として、冒頭に「豊かな生活」として挙げた出世、家族、大型テレビなどを再び列挙する。つまり、オープニングでは「豊かな人生を選ばない=ヘロインだけがある」であり、ラストはその「豊かな人生(=ヘロインはない)」を選ぶのだ。そして明らかに、前者のレントンの姿は陽気ながらもどこか破滅的、後者では本物の希望に満ちた笑顔をしている。原作者アーヴィン・ウェルシュはドラッグで執筆をはかどらせているというから原作(未読)まではどうだか知らないが、少なくともこの映画はドラッグ肯定とは思えない。

(評価:★4)

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