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[コメント] ゾラの生涯(1937/米)

フィクションと断りを入れた上で、焦点を絞って描かれた擬似伝記映画。その狙いがあまりにも伝わり過ぎて、舞台がフランスであることを忘れてしまいます。いつ誰かが「自由の国アメリカ万歳!」と言い出すんではないかと。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







演出も悪くないしポール・ムニの演技に見応えはあるとはいえ、個人的にはこの演説口調にはいささか辟易されられる。「武器はペンなので口は達者じゃないが・・・」と断りを入れときながらあの弁舌は一体・・・。

ともあれ、感銘を受ける部分もあるし面白いのだけど、文豪ゾラという素材を前にして期待する芸術家気質とかフランス人気質とかが余りにも希薄。セザンヌに至っては、最後の登場は蛇足以外のナニモノでもない。とはいえ、別離のシーンは印象深いし、セーヌの身投げのクダリで浮かび上がる橋の下の住人なども忘れがたいし、死因につながるストーブをあえて冒頭で印象深く扱っているところも秀逸。個人的にはセザンヌとの別れのシーンまでなら4点。

(2007/2/3)

(評価:★3)

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