[コメント] 青幻記・遠い日の母は美しく(1973/日)
ヌーヴェル・ヴァーグの名カメラマンが作ったら、ヌーヴェル・ヴァーグの殻がくっついたままでした。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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撮影監督出身と言うだけあって、こだわりにこだわったカメラがとにかく凄い作品で、特に南国の真っ青な風景が目に染みいるような見事な美しさをもつ作品。鮮烈な青さから連想される過去の風景が、タイトル通り青い幻のように映し出されていく。
過去の記憶というのは誰しも曖昧なもので、どれほどつらく苦しいものであっても、その中で楽しかった思い出だけがピックアップされて残されていく。結果的にその「良き思い出」を延々と映し出すこととなり、物語としてはかなり単調。時折出てくる現代の描写も余計なものに思えてしまう。
物語性もかなり低く、話を通して「何故母は私を抱いてくれなかったのか?」が物語のキー・ワードとなるのだが、それは要するに母が病気だから。というだけだった。それで良いんだろうか?哲学的な意味がありそうでなさそうで…
結果として「幻想的な美しい映画」とは言えるが、それ以上のものを求める作品ではないと言うことかな?もうちょっと説明と、理性的な行動をするキャラがいたならば、話も締まったものになった気がするんだが、それは求めすぎという奴なのだろうか?
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