[コメント] マーティ(1955/米)
感じのいい小さな感動篇から話は後半に脱線を始める。この話法が滅法面白い。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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感動的な話は中盤までで終わってしまうのだ。いつも壁の花で泣いているいい娘を見つけて夜まで話し込んだ。将来についての話をして励まされた。こんないい夜は誰でも人生に一度きりあるかないかだろう。主人公はこれに恵まれた。フツーならここで映画を終える処だ。
本作はここから、主人公を試練にかける。「公園の老人みたいに死ぬのを待つのか」という老人の孤独という主題が主人公の結婚話に割り込んでくる。彼女まで新婚家庭は夫婦ふたりであるべきと発言して母親の不興を買う。「大学出は商売女と紙一重」という母親の偏見は箆棒なものがある。母親が妹を引き受け、ふたりでテラスに並んて主人公を睨む画はどうしようもなく喜劇的だ。その他悪友からのヤッカミなども引き受けつつ、しかし彼は彼女を選ぶ。選んでも選ばなくても彼の人生は試練だろう、彼は暗闇に跳躍するのだなあという感慨がある。
醜女醜男をどう描くかは劇映画永遠の課題だが、ベッツィ・ブレアは美人過ぎただろうとは思う(J・スチュワートに似ている)。アーネスト・ボーグナインとエスター・ミンチオッティの母子が似ているのは面白い。当時のNYは午前一時にもバスが走っていてしかも満席というのが驚き。
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