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[コメント] 危険な年(1983/豪)

インドネシアで何があったのか。という歴史を学ぶためには良いかもしれませんが、ドラマとして観ると今ひとつ。と言った感じです。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 わざわざインドネシアのポリティカルフィクションを作ろうという本作の着眼点は面白い。インドネシアでの報道を世界に先駆けてスクープを取ったのがオーストラリアという一事から本作に着目したのだろうと思われるが、この難しい素材をそれなりにきちんと仕上げてくれたウィアー監督の手腕は認めたい。

 だが、純粋なポリティカル作品としてはちょっと力不足の感があり。主人公が新聞記者で、共産党との独占インタビューという快挙を成し遂げたのは良いにせよ、それだけでは物語にならないので、その後記者の分限を超えて政治に関わってみたり、ロマンスを入れてみたり。この辺がポリティカル“フィクション”な訳だが、その部分がとにかく冗長。状況が分からないままいつの間にかあっちに行ったりこっちに行ったり。振り回されている間に話が終わってしまってる。この辺『さらばキューバ』(1979)とか『グッドモーニング・ベトナム』(1987)とかとも似てるのだが、とにかく分かりづらいまま。

 それにインドネシアの生活に同情するシーンがどうしても見下した感じに思えてしまうのもマイナスか?西欧文明は指導的な立場にあるという優越性がどこか落ち着かなくさせる。

(評価:★3)

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