コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 暗闇でドッキリ(1964/米)

クルーゾー警部の偉大さとは…
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 彼はどんな事件でも絶対に解決する。たとえ謎そのものが解けなかったとしても。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−閑話休題−−−−−−−−−−−−−−−−−

 『ピンクの豹』(1963)が思わぬ大ヒット。中でもクルーゾー刑事役のセラーズの快演が記憶に新しい時期にエドワーズ監督が投入した続編。続編であるに関わらず『ピンク・パンサー』の名が付いてないのは、宝石ピンク・パンサーとは関わりを持たない物語だからだろうが、わざわざ離れさせておきながら、10年後に結局『ピンクパンサー2』(1975)としてシリーズとして復帰したため、順番が非常に分かりづらくなってしまったが、本作が純粋な続編である。

 セラーズは前作では単なるドジな警部役なだけだったが、今回は魅力大爆発と言った感じ。おおよそ警部とは思えないような独断と偏見ぶりを発揮。自身もドジばかり踏む。その上で偶然に偶然が重なり、事態は収束していき、周りの評価は上がっていく。

 ストーリーも相当に人を食っていて、クルーゾーが無茶苦茶な捜査をやってるだけじゃなく、謎が謎を呼び、どんどん訳が分からなくなっていく。その過程で上司ドレフュスはクルーゾーのお陰でにどんどんおかしくなっていくし、犯人が特定できないまま、最後のつめに入った途端容疑者全員が死亡…って、真相はどうなった?無茶苦茶不条理じゃないか!

 …好きだなあ、こう言うの。

 演出的には古き良き時代って感じで、セット感溢れる舞台にリアリティは無いし、物語もぬるめであるとはしても(全作そうか?)、一体どんなオチが待ってるのだろう?とドキドキしながら、あれを見せられた瞬間は、大爆笑。前作のオチもかなり強烈だったけど、それを上回ってるよ。大体事件は解決したものの、謎はなんにも明かされないって…寺山修司か?(笑)

 これで良いのか?いや、これで良いのだ。だって過程と謎を無視すれば、間違いなく事件は解決できてるんだから。それにこれが結局本シリーズの味ってやつだ。

 強烈などんでん返しもあり、シリーズの中では本作が一番好きだな。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)ひゅうちゃん

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。