[コメント] マーズ・アタック!(1996/米)
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火星人や光線銃、首人間など、50〜60年代の古典SFやトレーディングカードに出てくるステレオタイプなモチーフをこれでもかと言わんばかりの「少年の悪ノリ」テイスト全開で描いたSFコメディ映画。ティム・バートンが「指輪物語」や「トロン」などの制作で培ったアニメーション技術を良くも悪くも発展させ、次の時代を切り開いてしまったマイルストーン的な作品でもある(最近の『ナイン』などの映像を見ると、なぜか本作を思い出してしまう)。
さて、賛否両論の激しい本作だが、今あらためて見直してみると、すべてが「少年の悪ノリや思いつき」を徹底的に意識して作られていて、有名な俳優があっさりと死んでしまったり、えらくチープな方法で火星人が退治されてしまうクダリも笑って許せてしまう。しかし、愛すべきはなんといってもあのエンディング! 『レオン』で鮮烈なデビューを果たしたナタリー・ポートマンを、レイア姫よろしく大統領の娘役に据え、ヨーダみたいな婆様を助けたヘタレな青年にキスさせてしまう。しかも階段にブラス演奏まであって、これはもちろん少年達が熱狂したスター・ウォーズのパクリなのだが、そこはもちろんバートンである。姫にあんな事を言わせてしまうのだ。そう、要するに本作は少年達が抱く妄想がぎっしり詰まった玉手箱のような映画だ。それがこの映画をどうしても嫌いになれない理由なのだが…あの女スパイはやっぱりロッサナ・ポデスタをモデルにしてるよね?)
追記:スピンオフやパロディを自分の遊園地(Star Wars Universe)に取り込むのが好きなジョージ・ルーカス御大が『スター・ウォーズ』新シリーズでナタリー・ポートマンを新しい姫君に起用したのは、この映画のせいだといってもまず間違いなさそうだ。
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