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[コメント] ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘(1966/日)

お話の荒唐無稽さだけを以てこういう映画を安易に否定するべきではない。地味ながら特撮はよくできてるし、島のロケーション及び美術の質も高い。台詞もよく練られている。宝田明は彼のキャリアの中でも群を抜いたかっこよさを見せてくれる。劇中の台詞「アイデアで勝負しろ」のごとく様々なアイデアで楽しませてくれる。シリーズでも5本の指に入る傑作。
Sigenoriyuki

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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赤イ竹による追跡から逃れる場面や逆に施設へ侵入する場面などはこれしかないという絶妙なアングルで撮られているし、刀剣や発炎筒、金属板などの小道具の使い方もうまい。この映画における福田純のアクション演出は再評価されても良いはずだ。

ゴジラが眠る洞窟内では岩を介して心臓の音が聞こえる、ゴジラとエビラの戦いで飛ばされた岩が赤イ竹の施設を破壊する、モスラが人間の乗ったかごを運ぶ、このような特撮パートと本編が地続きであると意識させる演出がそこかしこに成されている。また人間と怪獣を1カット内に収めようとする努力も多くの場面で見られる。本作のゴジラはユーモラスな部分が強調されてはいるが、至近距離の熱戦で戦闘機を撃墜するカットなどは抜群にかっこいい。都市破壊シーンが無いため軽んじられがちだが、本作は純粋に特撮映画として見ても実に質の高い仕事が成されていると思う。特撮のために映画があるのではなく映画を盛り上げるために特撮が使われているのだ。

(評価:★4)

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