[コメント] 太陽と月に背いて(1995/英=仏=ベルギー)
刹那の快楽に誘う緑の魔性アブサン。ゴッホが自分の耳を切り落としたのもこの酒の幻覚作用によるものと言う説もまことしやかに流れている。
何十年以上も昔にその高い中毒性と強烈な幻覚作用を引き起こすことを理由に、「本物のアブサン」はヨーロッパにおいて生産が禁止された。
現在でもいくつかのメーカーが「アブサン」の名で商品をラインアップしているが、どれも風味をにせて作っただけのもので、当時多くの芸術家たちが魂を搾り出す引き金にしていたと言われる魔性の液体とは全く似て非なるものと言われている。
アブサンにおける中毒性と幻覚作用は、酒の中に含まれる「ツヨン」と言うニガヨモギ由来の成分によるもので、近年EUにおいてツヨン濃度10ppm以下なら製造してもかまわないと言う基準が出来たのだが、当時普通に飲まれていたもののツヨン濃度はその10倍以上。
今もEU規格外の国では、高濃度のアブサンを製造していると言う話だが、その程度は定かでは無い。
酒に関わる仕事をしている者・芸術畑の者にとって当時のアブサンはどこかにあるユートピアのようなものなのだ。
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