[コメント] ストレンジ・デイズ −1999年12月31日−(1995/米)
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元恋人を助けようとするヴァーチャルソフトの販売人の男の映画。
全体的に見ると元恋人のフェイスの友達が殺される模様を映したヴァーチャルシグナルを見た主人公レニーが次はフェイスが襲われると感じ、助けようとするエピソードとその裏で絡んでいる市民運動の指導者の黒人ラッパー殺害事件の真相のエピソードをほぼ同時進行的に描いているが、どうにも主人公レニーのエピソードはこの映画では不必要な印象を受ける。
人種差別が厳しくなり、町には放浪者がのさばっている時代設定の映画なら、どちらかというと黒人ラッパーの市民運動指導者の殺害事件の真相をもう少し突き詰めてくれれば社会派サスペンス映画としてなら面白くなりそうだった気がする。
最初の内はレニーのエピソードが中心だったが黒人ラッパー殺害の事件が絡んでからはテーマが曖昧になった気がする。終盤までレニーがフェイスを助ける事に固執していたのにラストで真犯人が現れ、黒人ラッパー殺害事件を使い利を得ようとする展開はモーガン・フリーマン主演の『スパイダー』に近い。ただこの映画レニーのエピソードを中心にする事を最後まで貫いた事を配慮してもラストの展開は強引としかいいようがなく、黒人ラッパー殺害のエピソードを道化にしないで描いてほしかった。
役者としてはレイフ・ファインズは『嵐が丘』では貴族を演じていたのにこの映画ではいかにも裏業界にいそうな人っぽいのは演技が徹底していてよかった。ただ元刑事という役柄のわりには人に殴られそうになってもあまり暴力で物事を解決しないのは変だと思ったが。個人的にはメイヤー役アンジェラ・バセットがレニーの親友として元彼女にもかかわらず、フェイスを助ける事に固執する彼を否定する事もなく時には厳しく、時には優しく彼をサポートする役柄を好演していて素晴らしかった。
『スパイダー』でも犯行を真犯人の利を得るための道具にされた犯人を演じたマイケル・ウィンコットはこの作品でも似たような役柄。
映画としては構成は悪くないと思うが、軸にするべきエピソードを間違っている気がする。
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