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[コメント] はたらく一家(1939/日)

荒地で昼寝している傍で子供が戦争ごっこを始め、夢うつつで戦場と間違い慌てふためく件が秀逸。この時代の怯えを描いて傑出している(なおイジワル母さんの本間教子は『羅生門』の巫女さんで有名な本間文子と同一人物)。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







卓袱台が足りずに勤め人が朝飯喰っている間、老夫婦と小さい子たちが部屋の隅で寝ている(もう起きてもいいかと問うて断られる)という序盤の描写も心に残る。男の子と女の子の喧嘩(お前なんかルンペンになるんだ)が面白いが笑っていいものやら。

全体には短尺でもありあっさりした話だが、転向後の穏健になった徳永直作は戦前の社会派ナルセと相性がいいという発見がある。本作も希望があるようでないような収束でヤルセナイ。ダメ親爺の徳川無声繋がりで進学あきらめて明るく工場に勤め始める『綴方教室』の凸ちゃんが想起されたりする。ラストではしゃぐ子供は『風の中の子供』に似ているが、さすがのナルセも子供使いは清水には劣る。

(評価:★3)

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