[コメント] ガタカ(1997/米)
シンプルデザインがレトロな未来。
ごてつかないシンプルなデザインが目新しい(昔のB級SF映画を想起させられる)。色を被せた画作り(低予算故?)も相俟って、清潔こそを第一義とする未来社会の雰囲気をキレイに纏めあげていた。
遺伝子差別という如何にもSFな意匠でもって描き出されてはいるが、そのドラマの骨子はよくある青春映画。脈絡のすっ飛ばし方などを見ているとそう思えてしまう。(それでもマイケル・ナイマンのメロディにはついノセられてしまうけれど。)遺伝子差別を主題とするならもっと構造的に描き出せなければ本当ではないと思う。『トゥルーマン・ショー』もそうだが、アンドリュー・ニコルというひとは、特異な虚構の枠組みに過度に拘るよりも、それによって物語的な主題をより鮮明に劇的に浮かびあがらせることにこそ志向をもつひとなのかもしれない。
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