[コメント] バックドラフト(1991/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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映画で見る炎というものは、元々「あれは作り物だから」という目で見るからかもしれないが、それほどの恐怖を感じないものだ。どんな作品を見ても、どこか第三者的な視点でそれを見つめてしまう気がする。
けれどこの作品は違った。ここに描かれている炎だけは本気で怖かったのだ。CGで作られた炎が本物より怖いというのもおかしなものだが、それはやはり炎というものへのしっかりとした考察と、それをきちんとした恐怖演出で支えたロン・ハワードの力によるものだろうと思っている。
またその恐ろしき炎に立ち向かうのがスーパーヒーローではなく街の消防士であるという点も素晴らしいと思った。個人的には『タワーリング・インフェルノ』でのマックィーンの活躍をも思い出し、懐かしい気分にも浸ることができた。
加えてこのロン・ハワード監督には、オスカーを獲った『ビューティフル・マインド』でもそうだったが、サスペンス演出に非常に長けているところがある。だからストーリーにも膨らみが感じられるし、そういう伏線があるからこそ兄弟愛というまた別のテーマが生きてくる。
兄弟愛と言えば、兄弟を演じたカート・ラッセルとウィリアム・ボールドウィンの演技にも目を見張った。特に後者にとってはこの作品は代表作だと断定したい。彼の若々しさ溢れる熱演もこの作品の成功には欠かせないものだった。さらには貫禄のスコット・グレン。彼にももちろん心からの賛辞を!(いや別にそう言わないと怖いからというわけではないが…)
とにかくこの作品には他の挑戦者を寄せつけぬ凄さ、素晴らしさがある。その主人公たちはもちろん、作品自体の素晴らしさをも表す言葉を探すとすればそれはもちろん「炎の鉄人」といったところか(これはモチ音楽から)。
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