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[コメント] 嵐の孤児(1921/米)

ドロシーとのコケティッシュなかけ合い、傘で憲兵に立ち向かう健気さ、全身で訴える正義、涙、キス、キス、キス。嗚呼、リリアン!!!
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







大正時代の作品なのにキャメラはすでにルネ・クレールのレベルに達している。『散り行く花』と比べても飛躍的な進歩とみえる。なかでも革命後の狂乱の描写が秀逸で、フェリーニ(『甘い生活』における馬乗り)、ヴィスコンティ(『地獄に堕ちた勇者ども』)、ミゾグチ(『山椒大夫』)に影響を与えているのが容易に確認できる。貴族のパーティの光と影も『サンライズ』に先行しているし、リリアンが連れ去られた後、ドロシーが吸い寄せられるように向かう水面のショットの禍々しい幻想も忘れ難い。もちろん、クライマックスのクロス・カッティングは、ハリウッドをいまでも繁盛させ続けている。ゴダールが踏襲しているスーパーインポーズでの過激な政治主張も含め、映画はグリフィスの遺産で成り立っているのがよおく判る。

(評価:★5)

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