[コメント] リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1960/米)
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舞台装置の安っぽさもあって、チープな作品だが、それが逆に魅力となってるB級のお手本みたいな作品だ。こういうジャンル映画って実に好みだ。
安っぽいと言えば、これほど安っぽいものもないくらいで、舞台の大部分は花屋の中と、せいぜい街角、歯医者の診察室くらい。オードリーの描写も素人が作れるくらいの出来。特撮だったらオードリーに触手が生えて人を襲うくらいのことはやるだろうけど、それすらもなし。これだけだったら映画を一本分作るにはきつい。テレビの30分番組で丁度良いくらいのサイズだ(事実撮影自体はわずか2日で終わってしまったとか)。オチも酷いし。
ただ、その足りないものを補うものが本作にはある。言うまでもなく、それはキャラクタの魅力…というか、変態的なキャラを観ているだけで全然飽きないということ。とにかく本作は主人公を含めて変な奴らばかりが出てきて、ことごとく本編とは関係ないところで個性を出しまくっているので、そのずれた感性を観てるだけで楽しくなってくる。メインストーリーがシンプルにできている分、そういった小ネタの方で楽しむのが本作の醍醐味だろう。
その中でも個性出していたのが本作がデビューとなるニコルソンで、あのひきつった笑い声と言動は一度観たら忘れられぬ個性を出してくれている。のちにバートン監督が『バットマン』(1989)でニコルソンをジョーカーに指名したのは、これを見ただけで理由が分かってしまうほど。貴重な作品を見せてもらった気がする。
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