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[コメント] トリコロール/青の愛(1993/仏)

飴の味がするけど、、なんで?って。
夢ギドラ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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世俗的な汚さが一切無くそんな夢の中に、決して大きく傾けられたわけではないような他者への愛や気遣いがそれぞれの人物に積み重なっている作品でした。好きだったシーンは、マットレスのおじさん(ブノワ・レジャン)関連です。真夜中に未亡人ジュリー(ジュリエット・ビノシュ)に呼び出されて、彼女は通常じゃない精神状態っぽくて、そりゃそうだ夫と娘が事故死したばかりなんだからとか思ってるうちに、キスすることになって、なんのキスだか分からないけど、飴の味!?なんで飴の味がするのかも、何もかもをこの人は尋ねない気遣いをしたのだなあ、と思ったらとても好きになりました。

もう一つ好きなシーンは、ちょっと怒ったりしながら寛大さを取り戻すところです。夫に愛人が居たこと知って(マットレスのおじさん!が教えて)、さすがに怒るんですが、怒りの感情って凄いというか、ジュリーを冷静にさせたんでしょう。で、亡き夫の忘れ形見ならば愛人の子であっても許容出来る程には愛しく感じたのだと思います。ささやかな愛が生まれ、自分と周囲の苦痛を緩和していくような物語がすごく素敵だと思いました。

全体的に技巧派の映像で、逆に鼻につく感じだったので、あんま拘ってない風の薬をボリボリしたシーンの微妙な面白さと、飴をボリボリして子供みたいな顔をしたシーンと、石垣でこぶしを傷つけながら歩くシーンが好印象でした。

(評価:★5)

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