[コメント] ディープ・インパクト(1998/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「地球滅亡3部作」の2。CGとはいえ、あの津波の迫力は凄まじいものがありました。感激。他にも書いてる方いらっしゃいますが、やっぱりサーフィンと結びつけたくなりますね。
それから、死ぬまでシネマ氏が書いてますが、確かに「1999年に人類は滅亡する」という、それまで長い間自分の脳みその一部分を占めていた固定観念が完全に取り払われてみると、後から作られた「アルマゲドン」の方がパクリ?という感覚が生まれますね。でも多分、当時は普通に行き渡っていた「世紀末思想」から別個に生まれてきたんじゃないかなあ、と思います。
いずれにしても、『インディペンデンス・デイ』『ディープ・インパクト』『アルマゲドン』の3本は、世紀末の生んだ「地球滅亡3部作」として私の中ではひと括りになってます。
あまり賛同してくれる方いないようだけど、女性記者がはったりかましながら問題の所在を突き止めていく、前半部分のストーリー、よくできていると思うんだけどなあ・・・。
80/100(01/06/30書直)
☆ ☆ ☆
政府の情報統制が厳格で、女性秘書官は事情を知らず、たまたま耳にした「エリー」の名を上司(財務長官)の不倫相手だと思い込んだと。彼に失望した秘書官は、(前)長官の突然の辞任の背景を探る報道機関へのリークを決意、彼女を取材したリポーターのジェニー(ティア・レオーニ)も普通にそう受け止めたと。ジェニーは、(前)長官アラン(ジェームズ・クロムウェル)に、いかにも「すべてを知っている」振りをして、あたかも情報の「確認をしにきた」だけかのように振る舞い、エリーの名をぶつけたところ、アランの顔色は確かに変わったが、その反応は明らかに「女性問題を暴かれた」だけにしてはおかしかったと。それどころか、テレビ局への帰路、複数の車両に囲まれ、強引に側道へ停車させられる。FBIと名乗る彼らに連れていかれた建物の一室には、なんとベック大統領(モーガン・フリーマン)が現れたと。想定以上の大スクープかもしれないとの思いに当惑しつつ、事情の飲み込めないジェニーは、精一杯冷静さを装って、2日後に早められた記者会見の場まで「黙っている」ことと引き換えに、最初に質問する権利を手に入れる。ネット検索で、エリーとは「E.L.E.」(エリー)、つまり「Extinction Level Event」(種の絶滅を引き起こす事象)のことかと思い当たるも、詳細は不明のままだったと。会見当日、大統領からの「一年後に小惑星が地球に衝突する」「回避のために核爆弾をその小惑星に打ち込む『メサイア(救世主)・プロジェクト』を発動する」発表に接し、驚愕したジェニーは、かろうじて冷静沈着に思考し、「メサイア事業は失敗すると考える者が、前財務長官以外にも政権にいるのか?」と質問を振り絞ったー。
僕なんかはこの一連のドラマで結構お腹一杯、見応えあるなー、という感じでした。もっとも、“仕事一筋”風のジェニーが、局からこの件で小惑星衝突テーマのアンカーに抜擢されるも、相変わらず仕事一筋風のままで、私生活で彼氏ができたりとかの無い寂しそうなままなのが可哀相とは思わされました。ただまあ、この物語全体の大きな流れから言って、彼女にだけハッピーがもたらされたところで、しょうもないことではありましょう。
彼女の、これまた寂しい母親、ロビン(ヴァネッサ・ウィリアムス)が、自身の人生の先行きを悟り、その死に昂然と立ち向かう(最高におしゃれをして、いわゆる死に化粧をする)ー。僕はこのシーン、自死そのものが描かれなかった点を含め、良かったですよ。こういう事例はこの世の中に無数にあり得る、すなわち真実代表みたいな感じを受けました。
ジェニーの父親、ジェイソン(マクシミリアン・シェル)との関係もそうです。前妻(ジェニーの母)の葬儀に間に合わなかった彼は、雨に打たれて打ちひしがれるジェニーを認め、車の中から声をかける。ジェニーはしかし、新妻のクローエが逃げていったという父の悲惨な境遇を一顧だにしない。当たり前ですよね。そればかりか、自分はオーファン(みなしご)のようだったと告げ、父の元を離れる。でも、ジェニーはみなしごなどではなかったと彼女に伝えるため、テレビ局を訪れた父は、そのことによって「父親」であることというか、父性を取り戻そうとしたのだと思います。自宅の前の浜辺で、独り決然と立ち尽くしていた彼は、ジェニーが自分の胸に戻ってきたことによって、父性を取り戻したのです。再び父親になり得たのです。僕はそんなシーンと見ました。人間を優しい視線で見るか、厳しい視線で見るかの違いかもしれません。でも、厳しい視線で見るという必要性が僕なんかには理解できません。そういう見方を非難はしませんけど。
長くなりました。この辺で。感謝申し上げます。
(21/12/11TV再見)
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