[コメント] ディープ・インパクト(1998/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ウチは夫婦と子供ふたりの4人家族です。
先陣をきって私が質問をする。「なぁ、3人分しか選ばれなかったらどうする?」「・・・きっとアナタが、俺はいいよって遠慮するんじゃない・・・」その時の妻の表情にずる賢い笑みを浮かべていたのを見逃さなかった。
私は続けざまに質問する。「それじゃ2人分だったら?」「ひとりだけだったら?」
結局は、最後の時は家族4人で手でもつないで一緒にいよう!ってな予定調和で終わった。よくある話である。こうやって私は家族の絆をちょっとばかり確認したかっただけなのだ。
・・・・・が、その後、余計な質問をしてしまった。「あのさぁ、5人分の切符がきちゃったらどうする?」 これは危ない地雷だった・・・
妻は一瞬、考える表情をみせたが答えようとはしない。「お義母さんか?」・・実は私と女房の母親とは不仲なのだ。毎週末、我が家に押しかけてくる義母に少々うんざりしているのだ。
私にも実家に両親がいる。当然私の脳裏にも自分の両親の顔が浮かぶ。妻もそれを見逃さなかっただろう。家族団欒の場に一気に緊迫感が押し寄せた。どちらの親を選択するのか?否、どちらの親を見殺しにするか?
『リング』の本当の恐怖もここにあった。自分の子供を助ける為に、おじいちゃん・おばあちゃんに代わりに死んでもらう。自分の命も含めて、肉親・知人に「優先順位」を付け、死んでもらう・・・
究極の選択だろう。これは単にSFの「もしも」の話題ではない。現実問題として置き換えよう、どちらの親に子供のランドセルを買ってもらうか?お正月はどちらの実家で過ごすのか?はたまた、将来どちらの親の面倒をみるのか!これは現実問題として多くの若夫婦の家庭で「大問題」として延々と語り継がれているテーマなのである。その証拠に毎朝の「どーなってるの?」でも常にこの問題が取りざたされている。
完全に地雷原に踏み込んでしまった・・・もう後戻りは出来ない・・・今夜は徹夜の緊急家族会議になるだろう。
・・・そう覚悟を決めた頃、このしょうもない映画が終わった。大きい彗星は消滅したらしい。
妻が呟いた・・・「日本は大丈夫だったみたいね・・・」
「良かった、良かったなぁ」 私も心底呟いた。 こうして我が家の危機は回避された。今こうして静かにコメントを書けているのは身体を張って地球を守ってくれたロバート・デュバルたちのおかげだと感謝しています。
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