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[コメント] ライアー(1997/米)

前半は限られた空間で展開する俳優陣の迫力ある演技を堪能できたが、後半駆け足気味の展開について行けず、「騙された」というより理解できなかった。二度目で分かった事→
mimiうさぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







○第一の疑問○ウェイランド(ティム・ロス )は生きているに関わらず、なぜ死者として警察署を運び出されたのか

ムック(エレン・バースティン)が一番鍵を握っていそうだ。 ムックは、金づるのウェイランドの依頼でブラクストンを必要以上に脅迫し、買収したと思える。

理由1:「ブラクストン(クリス・ペン )がケネソウ(マイケル・ルーカー)の机に札束を入れる」ムックを通じてか、ウェイランドから直接買収されたのかは定かでないが、金策に困った男が容易に金を返せる訳がない。2年そこそこしか勤めていないので、退職金も僅かなはずなので、退職金ではないと見る方が妥当。

理由2:「ブラクストンが救急車を呼びに行った」救急車の扉を閉めた時の不自然な老黒人のアップ!あれはまさしくムックの部屋でラリっていたその人だった。ということは、この救急車自体ムックが用意したものなのだ。この臭い救急車に連絡したブラクストンは限りなく黒に近い。

理由3:「追いつめられたケネソウが拳銃をウェイランドに向けた時、ブラクストンが体を張って守った。」それ程までの正義感にも見えないし、どちらかと言えば自分の学歴などを馬鹿にするウェイランドを嫌っていたはずだ。署内で殺人が起こるのは良くない事態だが、それはケネソウがした事。多分それまでの彼なら、止めはするものの自分に銃が向けられれば逃げるか助けを呼ぶはずだ。と言う事は、ここでウェイランドが死んでしまえば金が手に入らないどころか、ムックに命を奪われてしまう事になるブラクストンの必死の構えだったのではないだろうか。

○第二の疑問○葬儀は??

ウェイランドの父(マーク・デイモン)が空っぽの棺桶で葬儀を出すはずもないから、彼も共犯だと見ていい。もしかしたら、主犯もあり?

○ 最大の疑問○エリザベス(レニー・ゼルウィガー)は誰に殺されたのか

それに関わるシーンを何度か見直したが、結局答えは見つからなかった。けれど、あれだけの知能指数を持つ男が、ポケットの電話番号が書かれたメモを見落とすだろうか?遺体の切断より先に、まず衣服を脱がして身元を分かりづらくするのではないか。

ウェイランドはエリザベスからケネソウの事を聞いていた。

だとすれば、殺人願望のあるウェイランドがこの世から自分を抹殺するために最初からしくんだ罠なのではないだろうか。現に、死んだ事になっているウェイランドが今後見知らぬ地で殺人を犯したとしても、相当のヘマをやらない限り捕まる事はない。

彼の父にしても、ウェイランドが死で世間から同情の目で見られる事を望んだのではなかろうか。ウェイランドが生きていれば、問題児の親として白い目で見られるのだから、この作戦に乗るはずだ。彼の父は、誰よりも自分が可愛い男のようだ。

と、自分なりに仮定してみたがちょっとしっくりこない。それは、「答え」がないからだ。『ユージュアル・サスペクツ』のように答えが示されると、どこで自分が騙されたかが明確にわかり、騙された事への爽快感を味わえるのに、うやむやのままだとどうも…

しかも、一度観て分からない終わり方なんて…。(それは自分にも問題があるのだろうけど)俳優陣が良かっただけに、実にもったいない気がした。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ガブリエルアン・カットグラ[*]

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