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[コメント] ポケットモンスター ミュウツーの逆襲(1998/日)

もちろんいい映画だと思うけど…。
てれぐのしす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







命とは「自分の分身を産み出す」ものであり「突然創る」ものではない。それは神の領域である。しかし人間は、神への憧憬ゆえ神に近づこうとして神を模倣し続ける。ミュウツーの存在は、まさしく命のバベルの塔。人間は創造主である神を崇めたが、ミュウツーは創造主である人間を裁き、己の連続であるところのアイデンティティの確立に悩み、その葛藤を「オリジナルへの憎悪」でもって解決しようとする。

「種の非嫡出児」としての自分(達?)への自意識の確立を描くには少し弱い感じがしたし、何よりも子供映画としては重すぎる。平成ガメラシリーズの失敗がガメラ自身への強すぎる思い入れなら、この映画の失敗(いや興行的には大大成功なんだけど)は、大人に半端に色目を遣ったことかもしれない。

もちろん色目どころか完全に子供無視で、カタルシスも善悪の判断も不在の近年の仮面ライダーシリーズの百倍くらい子供たちには「良質」ではあるのだが。

(評価:★4)

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