[コメント] 夢翔る人・色情男女(1996/香港)
映画製作の全部がここで見れるなんて、かなり贅沢。面白可笑しく見せてはいるけど、作者の映画への愛情が、ストレートに突き抜けて泣けてしまう。レスリーでなければこの泣き笑いは表現できなかった。彼の仕事の中でも5本の指に入る作品だと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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一年も仕事がなくて、ひものような生活をしなければならないこともあった。久々の仕事に飛びついたものの、考えたこともなかったポルノ映画を撮るハメに。転職という選択肢にもちらと心が動くけど、映画を取ったら何がある?って聞かれりゃ、答えようがない。 そこで、タクシー運転手になるか、映画を撮りつづけるか、どっちがいいかなんていえないとこが人生の楽しさかも。
スポンサーとの軋轢、興行の失敗で自殺する映画監督、自主制作している若者たち、俳優達との摩擦、スタッフの不満、同業者のいやみ、恋人の疑心暗鬼、恋人に言われるまで気が付かなかった女優への感情、そっと励ましてくれるママ。撮影現場や、街頭や、バーや、実家や、カメラマンの家や、生活のあらゆる場面でおこる出来事をとおして、監督はじめ、スタッフも、俳優も成長していく様子が、とてもリアルで、しかも可笑しく、センチで、あたたかい。
さいしょから最後まで、スタッフがひとつになって何かをつくるっていう仕事をやれることは、今はほぼなくなった。だからなおさら、この映画を観て何か胸がきゅんとするのかなと思う。商売はちっちゃくても、製品を立ち上げるまでのあの楽しさが、映画の撮影現場には残っているんだなと思うし、これからもずっとそうだといい。
モニク(スー・チー)が、「裸を見せるのは、一人だけに...」って言うとこがいい。そのとおりだと思う。売るものじゃないんだから、そもそも。
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