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[コメント] ガントレット(1977/米)

イーストウッドのチャレンジ。ここでは試しに受けそうな要素をぶち込んでみました。という所でしょう。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 イーストウッドのメジャー第3作目の監督作品。イーストウッドの盟友であり愛人でもあるロックのために作ったような作品。初期のイーストウッドは気心の知れた仲間としか映画づくりをしない時期で、出演者もほぼ一緒という時期があったが(西部劇の先輩であるウェインのやり方に倣ったのか?)、その時の作品であり、そのためか派手で安定感のある作品となっている。次々に来る危機の中を、ひたすら攻撃を撃退しながら突き進む二人の姿が描かれており、特に最後のバスのシーンは、一体何発銃弾を使用したんだ?というくらい。これこそまさに“生の迫力”というやつだ。

 趣旨が“生の派手さ”とロックの見栄えである以上、物語性は低く、シチュエーションも物語も極めて良くあるタイプの作品で、派手さというのが無ければおそらくは全く話題にもならなかった作品だろう。そういう意味ではとても割り切って作られた作品なので、深く考えずに没入さえ出来れば爽快この上なし。

 ただ、今にして考えると、イーストウッド自身が本当にこんなのを作ろうと考えていたのだろうか?とは思う。

 イーストウッドも監督としては本作が3作目に当たるのだが、以前の2作『アイガー・サンクション』と『アウトロー』はよく言えばマニア受け。悪く言えば興行的に振るわない作品になってしまった。一方、当時の視聴者の大部分がイーストウッドに求めているのは『ダーティハリー』であり、派手なアクションだった。作家性を強く打ち出した作品を作っても、それが受け入れられなかった事を痛感したのだろう。それならば視聴者が一番求めてるものを作ってみようじゃないか。という思いがあったのだろう。それにイーストウッドとしてはロックを売り出したいという思いもあっただろうし、一度弾けたものをサービス精神たっぷりに作ったのが本作であると考えても良い。

 結果としてイーストウッドがやったのは艦砲射撃と同じ。幅のある作品をいくつも作ってみて、その中であたりの良いものを取捨選択し、そこに作家性を加えてみる。後年の監督作品に傑作が多いのは、こういった幅広く作品を色々と作ってみた結果とも言える。  単体で面白くない訳じゃ決してないので、時にこう言うのも観てるとストレス解消にはなる。出来ることなら大画面&大音響で観たい作品の一つ。

(評価:★3)

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