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[コメント] アパートの鍵貸します(1960/米)

幸せな結末を導き出すため、定めたハードルの高さにプライドを感じた
週一本

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







たとえば結末、バドが彼の純愛の為に会社を辞めたことを彼女が知ったところで終わっても十分に素晴らしい終わり方だと思う。

しかしそこをあえてハッピーエンドにもっていった時にダサくならないよう、それまでの演出や登場人物に外連味や嫌味といった臭みが出てしまうことを非常にうまく抑えている。(情事に出世の為の裏取引や自殺未遂の話なのにっ!)これは制作にあたり非常に難しい「縛り」になったであろう。

伏線や小物の使い方にも感心させられるばかりだが、脚本としてテーマと本筋のこだわり、想いを全うさせることと劇中でも出てくる「人間になる」ことを上手くラップさせる。 話は軽快に進行するがこういった深みを感じるのは本当にいい映画を作るという制作者自身が科したハードルでもあると思う。

そして、カワイイ、かわいいの定義すら怪しくなってしまうほどのシャーリーマクレーン!!!

だって「愛してる」ってようやく告白できたのに、返ってきた言葉が「だまってカードを配って」、、、そんなん言われたら男はもうダメに決まってる。(これがラストシーンなんだから洒落てるというか大人というか、、)

「愛してる、、」「わたしも、、」そんなセリフを書いてきた脚本家は死にたくなっただろうな。

(評価:★5)

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