[コメント] 天使のたまご(1985/日)
地獄のような退屈に耐える覚悟だったけど、それほどでもなかった。
若気の至りみたいな企画に小林七郎のようなレジェンドがフルスイングで応えていて、画を眺めているだけで悪くない。少女の髪など大したものである。
ただどこまでも観念でしかないので、映画の興奮や喜びはここにはない。作り手が作品の中を生きた実感は皆無だ。信念もなく、象徴を弄ぶだけ。オレがこれを好きになることは生涯ない。それはもう判りきったことだ。
80年代はやっぱり特別に変な時代だったと思う。表向き軽薄なゴラクが花開いた時代だったけど、カンのいい連中は「これでいい筈がない」「こんなことがいつまでも許されるわけがない」と心のどこかで判ってて、こういうトチ狂ったものを作る。「ロボットカーニバル」とか、「メガゾーン23」とか、「王立宇宙軍」とかね。押井守は「これでいい筈がない」と晩年まで言い続け、あんな老人になってしまった。
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