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[コメント] 岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇(1997/日)

どこが「岸少」じゃい!ウジウジグジグジしくさって、お前らホンマに「愚連隊」か!暴力描写にユーモアっちゅうモンがないんじゃ、ユーモアが!
mize

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







(以上、関西人が最も嫌う、関東人によるなんちゃって大阪弁で失礼しました)

 ショック。★5だった井筒監督版『岸和田少年愚連隊』がこんな形になってしまったとは。しかもこの三池監督は『岸和田少年愚連隊 望郷篇』も撮っているというじゃないですか。

 個人的な趣味だけど、三池監督が笑わせようとする場面は狙いが見えすぎて笑えない。Side-AとかBとかこじゃれた技も「岸和田」に関しては余計だった(原作で既にそういう章立てになってたなら仕方ないけれど)。

 前作は激しい暴力の応酬にもかかわらず、懐かしくて微笑ましいごんたくれ達の青春映画に仕上がっていた。母親の愛情や、ケンカ好きな岸和田の街の人々の描写など、笑えるのに最後は切ない余韻だった。それなのに本作は「血煙り」というほどケンカシーンは多くないにも関わらず、暴力描写が痛々しすぎる。そしてユーモアがない(あっても歪んでる)。ただの嫌悪感しか感じない。

 恋愛描写はステレオタイプで取って付けたよう。しかし最も呆れたのは兄の死亡シーン。兄が死ぬという事は冒頭のセリフであきらかにされてる訳で、ドライブに行くあたりから監督も意図的に死を予感させている。で、案の定事故に遭うけれど全員無事。次は兄だけが海に入る。「海で死ぬと思ったでしょ?…いや死なないんだな。死因はカミナリの直撃でした!」という監督の悪ふざけがブラックすぎて笑えないし勿論泣けもしない。ストーリーにおける三池の悪ふざけは学生映画かVシネマレベルだと思う(ん?でも原作でそういう設定なら仕方ないのか…すみません確かめてから非難するべきでした)。

 リイチ役の人は本物のそっちの人にしか見えず、その意味では説得力満点だけども、女がそれでも惹かれてしまう魅力という点ではまるで説得力がなかった。ナイナイの矢部は今でも個人的に大嫌いなのだが、彼のリイチ役は非常に魅力的だった。この違いは役者の力量というよりも、監督の力量の差からきていると思う。あとついでに音楽のセンスが悪い。

(評価:★1)

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